デニッシュスタイルで暮らそう！

●デニッシュにキャンドルを取り入れる

アメリカの友だちは、キャンドルはロマンチックの時に使うと言います。
日本人は照れ屋が多いから、ロマンチックとキャンドルは
あまりに決まりすぎですね。
でも、ちょっと疲れた時に部屋の灯りを落として、
キャンドルの灯の中でお酒を飲むのは、ありですね。
キャンドルは、日本ではリラックスのためのグッズ、
というイメージが強いでしょうか。

さて、デンマークでは、キャンドルは日常のようです。
冬にコペンハーゲンを訪れた友だちは、
日が落ちた街中のカフェのテーブルに、
ホテルのエントランスに、バーの庭先に、
おびただしい数のキャンドルの灯が、
ゆらめいている様に感激していました。
キャンドルの灯で街中が優しく揺らいでいるのだと。

家の中でもキャンドルは日常に欠かせないのだそうです。
夜は部屋の灯りを落としてキャンドルを灯し、テレビを観る･･･。
日本人にはちょっと不思議な光景ですが、
やってみると、これが意外に快適。
おおぶりなキャンドルは、十分な明るさで、
気持ちをゆったりほぐしてくれます。
灯をともさなくても、キャンドルをいくつか組み合わせて、
ガラスのトレイに飾っておくだけで、少しスローに時間が流れてくれますね。

●長い歴史を持つ小さな国。デンマーク

デンマークは小さくて可愛い国です。
５４０万人ほどの人たちが、九州と同じくらいの面積に住んでいます。

ヨーロッパ大陸で、ドイツの北に位置するスカンジナビアは、
デンマーク、スウェーデン、ノルウェーの３国で、北欧３国と呼ばれています。
さらにフィンランドを加えて、北欧４カ国と呼ばれることもあります。
冬が長い北欧の人たちは、家の中で豊かに過ごす知恵を編み出してきました。
なかでもデンマークは、暮らしを彩る家具や照明器具、テーブルウェアなど、
優れたデザインを生み出す国として知られています。

デンマークは歴史ある旧い国です。
その歴史はヴァイキングの時代にまでさかのぼります。
歴史ある国は、一方で、世界で初めての歩行者天国をクリエイティブし、
ポルノを解禁し、先陣を切って、男女平等のしくみを整え、
高齢者をはじめとするさまざまな福祉体制を充実させるなど、
優れたグランドデザインと改革心にあふれた顔を持っています。



●デンマークの風力発電

飛行機がデンマーク、コペンハーゲンに近づくと見えてくるのが、
海の中に並んだ水車です。
デンマークは、約１世紀近く前から、
水車を使った自然エネルギーによる風力発電に取り組んできました。

空から見る水車はいかにも可愛らしいイメージですが、
公害物資を抑制し、安全性にも優れ、年間約５０万トン近いＣＯ２を削減するなど、
環境を守る働き者として、世界各国から脚光を浴びています。

ところで、島崎信氏の『デンマーク デザインの国』（学芸出版社）
によりますと、水車が海の中に立てられたいきさつを、
「大きな羽根が回る音は意外に大きく、耳障りだという苦情が多く
寄せられたため、人里から離れた海の中に立ててしまった」とあり、
知恵を出し合ってシステムを作ることに抜群の才能を発揮するデンマーク人を、
象徴する話として紹介しています。

●デンマークの広告代理店「プロバガンダ・マッキャン」

米広告代理店マッキャン・エリクソン１００％子会社の
デンマークの広告代理店、プロパガンダ・マッキャンが、
北欧中心に注目を集めています。
ちなみに社名のpropaganda は、『LIGHT HOUSE』（研究社）によりますと、
[普通は悪い意味で]（主義・主張の）宣伝、とあります。
同社が送り出す広告には、辛口なメッセジや痛烈な批判が盛り込まれています。

雑誌『ＰＥＮ』145号で紹介された同社の広告を、一つご紹介します。
リベラル派に支持されているデンマークの全国紙『ポリティケン』の広告です。
睨みつけるような視線を投げかけている黒人の子どもの写真が全面に掲載されています。
彼が手にしているカードには「遺伝子組み換え食品をありがとう」と書かれています。
安価で危険（かもしれない）遺伝子組み換え食品を、
素知らぬ顔をして貧しい国に寄付する先進国のモラルを紛糾した広告です。

「これからの広告はオピニオンを発信し、人々の深層心理に訴えかける広告が、
もっと増えていくと思うよ」（同社設立代表メンバーでクリエイティブ部門のコア、
フレデリック・プライスラー氏・『ＰＥＮ』から）
◆
私たちの代表の中山拓は、プロパガンダ・マッキャンのトレンドについて、
「あぁ分かりますね。デンマークの人たちは、“自分”をはっきり持っていますし、
それをデザイン（＝カタチにする）する力が優れていますから、
オピニオンを反映させた広告が世に出ることも、
その広告を受け止める風土があることも、とてもよく分かりますね」
「家具やモノのデザインにメッセジが込められているのと同じことですね」と見ています。

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